#5256 【書籍】競争戦略論@日記 (2019/02/02)


(2003/3/7)競争戦略論 一橋ビジネスレビューブックス | 青島 矢一, 加藤 俊彦 |本 | 通販 | Amazon
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(2012/9/1)競争戦略論 (一橋ビジネスレビューブックス) | 青島 矢一, 加藤 俊彦 |本 | 通販 | Amazon
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自分が読んだのは、2003年の方ですが、今から読む人は、新しい方がいいかもしれませんね。
でも、古い方は、古い方で、
当時の写メール全盛時代の話があり、
フィルムカメラからデジカメへの産業の変化の話があったり、
放送、通信、情報がバラバラだった時代から、それの区別がつかなくなる時代になるとか、
そういうちょっと古い時代の産業構造の変化の話から、今後どうなっていくかの未来予想とか、
当時考えられていたことを垣間見れるのは面白い。
15年も未来から。笑
新しい方の本ではどんか書き方がされてるんですかね。

で、この本の重要なポイントは、
過去からどのような経営戦略が語られてきたかという歴史と背景の話と、
また、外と内、静的か動的で、4分割して、それぞれでの戦略の取り方を、
分類して、まとめられている。


この本を読んで一番良かったのは、コア・コンピタンス経営の概念を知ることができたところ。
1980年代の日本の製造企業の台頭によって、
なぜ日本が強いのか、
その日本企業を分析した結果、出てきた概念がコア・コンピタンス経営という概念。
1990年にC.K.プラハラードが発表した。

1980年代までの米国のコンサルや経営学者の哲学、というか前提としていた考えは、
限られた経営資源を所与とし、その配分方法を考えるために、トレードオフの認識と、その選択に焦点を当てている。
財務的な経営が主流であり、企業を独立した事業の集合体と考え、
事業の切り貼り(選択と集中)や事業間の短期的な資源シフトに終始する。
簡単に言えば、今使えるリソースがhogehogeで、どう配分すれば、一番儲かるかということ。
それを考えるのが彼らの経営戦略だったし、そのツールの開発をしていた。
彼らの概念では、多角化とは、事業の選択が先であり、
SBU(戦略事業単位)は最適化されたポートフォリオの結果である。

一方、当時の日本の製造業に見られたのは、
各事業は、中核技術を共有し相互に密接に関係している。
多角化とは、その中核技術や組織能力を展開した結果でしかない。
中核能力・技術の蓄積が先。事業はあくまで能力・技術を応用した結果にすぎない。
経営資源をいかに蓄積・育成して事業展開をしていくべきかが、経営戦略であった。
(なので、事業展開は事前に明確に特定できない。
そのため事業構成は余分なものまで含まれ冗長的になりやすい。なので赤字事業も
健全な赤字事業として正当化されていた。)


そして、時は、流れ、2000年代初頭、
日本は不景気となり、
日本企業が、選択と集中とか、赤字事業の清算、アウトソージング、事業単位の独立性とか言い始め、
これらは、1980年代の米国コンサル式の概念の言葉であり、
なぜか、1980年代のアメリカ式に回帰している皮肉。


2/4のブン


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