[#3383] 軒（のき）が長いのは日本の木造建築の特徴

#3383 軒（のき）が長いのは日本の木造建築の特徴 (2013/12/22)

http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/avan...

美術ライター・前橋重二さんがお話されていた「日本の木造建築の特徴」

日本の木造建築ってどういう特徴があるんですか？

例えば、塔ということであれば、軒が長いんじゃないか。
屋根が長く張り出しているんですね。

五重塔の場合には、下から1,2,3,4,5と、5層分の屋根がありますけれども、
これが非常に長く張り出している。

実際に無理がかかって、
物理的にストレスがかかりすぎるくらい
軒が長く張り出している。

それが、そり方、軒の反り方も含めて、すごく建物にいい表情を与えている。
その軒と、その建物に当たる光との戯れみたいなもの
そこんところが建物をみるときの一番のポイント。
一番のポイントってことはないけれど、
重要なポイントのひとつだと思って見てもらっていただくと面白いと思いますね。

醍醐寺の建物なんかはね。
やっぱりすごく軒下明るいでしょ。

下の瓦に太陽光が反射して、これ明るく輝くようになっているんだけど、
これはやっぱりすごく建物をかろやかに、
それから軒下の細工をキレイに見せる手段なんじゃないかなと思いますね。

伊勢神宮なんてのは、すごいでしょ。
白い石をひいて、レフ板で建物全体に光がまわっていて、
だからあんな重い建築が、軽く見えるんですね。

光と建物を考えるときに、
軒下のデザインというのは、もの凄く考えているだろうな
と思いますね。

軒が長いというのは、もしかすると、日本建築だけかもしれない。

中国の塔だと短いでしょ。

日本人の感覚からすると短いな〜。
と思いますよね。

日本の建築って無理をしながら、長く、軒を伸ばしているんですよ。
軒って結構落ちるんですよ。
落ちるし、それから下がっちゃうんです。
結構、で、つかＸが立ててあったり、

軒を張り出すというのは、大工さんにとっては、
リスキーなことなんだけれども、でも張り出さずにはいられない。
その軒が張り出していることが、我々の感覚にとって
美しいっていう感じなんじゃないですかね〜。

そこに大工さんの意気込み、感じる。

これは日本だけの特徴かもしれませんね。

そういう意味では、軒を長く出して、
庭に反射した光を取り込んだ
一種の間接照明として、
室内に光を導く
だから、
土が乾いていれば、反射しますけれども、

そこにちょっと苔をはれば、
反射率が上がりますから、
そんなことも考えているのかもしれないなーとか、
思ったりしますね〜。

日本って、結構
夏は太陽がきついじゃないですか。
南側。
でも、それに対して、これだけ長く軒を張って、
いったん庭で反射して、また軒からこうっていう
ダブルクッションみたいな光の導入の方法っていうのがあったのかもしれないなと思います。

実際に、
こういう軒の家には、今誰も住めないわけですから
もしかすると、そういう所に住んでいると、

雲がちょっと切れると、反射光の、
つまり反射率が上がるから、

それで、あ、空が晴れたってことが、
家の中にいても分かるのかも知れない。

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追記(2013/12/22-00:22)

関連：
#3329 遺伝子論？生物進化論？の面白い話 - HE PROJECT3 2013-11-01
。

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『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』
の記事はこちら(#4661)

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