#3429 オリンピックネタ（森末慎二）＠日記 (2014/02/11)
最近ソチオリンピックが盛り上がっていますね。
ということで、前々から文字おこしをしたかったヤツをしてみました。
やっぱり森末慎二はすげーなー。
ほんとヒーローですよ。
元体操選手の森末慎二さんの1984年のロス五輪・金メダルの秘話。世界最高峰のお話。
http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/avan...
ロサンゼルスオリンピックで
鉄棒が金で、跳馬が銀で、団体が銅でした。
まー運が良かったですね。
コレクションとしては、最高ですね。
個人としての鉄棒の金、
これは運ですね。
その前に跳馬が7位かなんかで、残ってて、
僕2本とも着地がピターン、ピターンって止まったんですよ。
そしたら試合が終わったら、監督、コーチが飛んできて、
「おい、森末、2位、2位」って言うんですよ。
「棚からぼた餅っすね、それー」っとか言って、
で、銀メダル。
そしたらね、やっぱりね、
すごい気持ちが負けてくるんですよ。
銀とっただけで、
予定外の銀だったですから、
団体の銅もらって、そのうえの銀をもらった瞬間に、
これでいいんじゃないのって思い始めるんですね。
次に鉄棒があるんですけど。
もうひとりの自分は
べつにこれだけでも、もうすごくない？
すごいっていう部分と。
その反面、
こちらに、もうひとりの自分は、
いや、まてまて、うまいこといけば、
まだ金もあるぞっていう
2つの戦いが
自分の中で、結構ありましたね。
でも、
結果的に何が起こったかっていうと。
鉄棒最後いよいよ始まりました。
1番からずーっと来て、
6番、具志堅さんが10点出して、
次に中国の選手が10点出して
ぼく最後に演技をするんですけど、
8人中僕8番手なんですね。
僕の演技で、オリンピックの体操の演技は終わるんですよ。
オーラスなんですよ。
一番最初から一番最後まで緊張しているのは僕なんですよ。
で、いざ、これから僕
演技をする。
前に
具志堅さんと中国の選手が点が良すぎたんで、
僕、着地で、足が1本動くと4位なんですよ。
メダルないんです。
具志堅さんが、持ち点が
9.95だったんですよ。
それに10点出したから、19.95なんです。
次の中国の選手が
9.975というのが持ち点だったんですよ。
10点出したから、19.975で2位だったんですよ。
まあ、その時点ではトップですよね。
ぼく持ち点10点だったんですよ。
だけど、下り技（おりわざ）で、
着地が1本動くと、
0.1の減点ですから、9.9しか出ないんです。
9.95にならない。
着地が動くと、19.90で4位なんですよ。
決まると金、動けば4位。
しびれる、
手は震えるし、で、熱がその時38.5度くらいありましたから、
熱がもう3日くらい前から39度から下がらないんですよ。
緊張とプレッシャーで物は食べられないし、
食べれば吐くんですよ。
薬を飲むとドーピングで引っかかりますから
ダメですよね。
手は震えてますよね。
普通だったら、白い滑り止めの粉を付けて、
ぺっぺって唾を吐きたいのに、
口の中は、はふはふって
何もないわけでしょ
そこまでプレッシャーがかかって
緊張感があって
一発勝負ですよね。
鉄棒だと
やく
僕の鉄棒で45秒、
飛びついて下りるまでに。
で、4年に一度しかないんですよ。
45秒が。
その時に思ったのが、人という字を書いて、落ち着けて
飲むのか、
いつも通り、やればいいと思うのか。
もし、その場で、いつも通りやればいいんだ、
落ち着けって、こう思っているヤツはパニクってるヤツですね。
もうその時点で、まず落ち着けません。
いつも通りはできません。
なぜかというと、
潜在能力、もっと言い方をかえると、
火事場の馬鹿力。
体操でいうと、試合筋と言います。
試合にだけ出てくる筋肉。
それが出てくるんですね。
陸上競技で、よく短距離で、
用意ドン！って言った瞬間に、
モモの後ろを肉離れしてる選手、いますね。
100メートルでね。
あれだけ鍛えている人がどうして？なりますね。
それは、脳の中でセンサーが切れてるわけですよね。
普通は、センサーがつながっているんで、
はい、これ以上出しちゃいけませんよ
筋肉を痛めますからやめてください。
って脳が止めてるんですね。
それが興奮と緊張のあまり
このセンサーがなくなるんですね。
すると、その直で、
緊張と興奮のあまり
バーっと出すもんだから、
筋肉が持たないんですね。
100のパワーに対して、
150くらいの指令を送るんですよ。
脳が。
すると壊れるんですよ。
試合にしか出てこないんですよ。これ。
それが出てるのに
いつも通りの演技をしたら、100%失敗しますよね。
だから、何をするかと考えると、
まず
興奮している
緊張している
プレッシャーがかかっていることを
把握することです。
すんげー緊張している。
さあ、手はすごいぞ。
ビンビンに筋肉反応してるぞ。
この中で演技するにはどうしたらいいのか
考えなきゃいけないですよね。
これは、今までの試合をやってきて経験なんですけど、
これは、
飛びついて
ひとつひとつ
確認をして、
放し技なんかは、
手を開いた、
開いたら鉄棒が見えた、
見たら、持てじゃないんです。
持てっていった瞬間、筋肉反応が良すぎて
鉄棒を持つ前に握ることもあるんです。
持ち損ないっていうのが。
試合でしか起きないんです、これ。
やったことないような失敗
いっぱい出てくるんです。
いつも通りやろうとすると。
だから、何するか。
鉄棒が見えた、
見えたら手を広げろ、
手を広げたら触れ、
触ったら握れよ、
零点何秒の間にやってるんですよ。
広げろ、触れ、握れ、
広げろ、触れ、握れ、
で
下り技、ぎゅーっといって
最後の下り技をバーンっといって
手を離して、
4メーターくらい、高さ、
下りるのに1秒ちょいですね。
体を伸ばした。
心身二回宙返り？、そのまんま、
どーんと着地した
足の指がマットをつかみますね。
がーっと。
動いてなるものか。みたいな。
それが決まった後のガッツポーズ。
ようするに
イメージ通り出来たから
終わったのと
うまく出来たってので
やったーだけですね。
やったー。
4人の審判の目の前で、どうじゃ、こらー、
見たかお前ら、みたいな。
アピールしておかないと、とりあえず。
完璧でしょ私は、みたいな。
でも、
4人の審判のうちひとりが9.9でした。
3人が10点、10点、10点、ひとりが9.9で、
一番下と一番上を切って、真ん中二つを足して半分に割るんで、
10点。
で、金メダルでした。
余計にその金はうれしかったですよね。
by ロサンゼルスオリンピック金メダリスト森末慎二
2/8のブン
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追記(2014/02/11-13:52)
動画発見した。
1984 Los Angeles Olympics Gymnastics - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=NN2tJhYJMTk
※ 独自 いいね です。facebookのそれとは関係ありません。白くなっている場合はすでに押し済みです。
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