#1887 テクノロジーと経済@日記 (2009/07/12)

「わたしが今憂慮しているのは、企業が技術的には十分すぎるほど消費者を満足させてしまった結果、人々が実際には求めていないものを一所懸命作っているということです。これはマイクロソフトの深刻な悩みでもあります」

これは、ikb さんの独り言であるが、この文からものすごくあれこれと想像が膨らんでしまう。
今までしていた妄想とリンクして。

たいていの今までの景気・不景気は、需要と供給つまり、今はお腹空いてるからいっぱいちょうだい、しばらくすると、もうお腹いっぱいだからいらないよ、の繰り返しである。
それでも、基本的には、景気の良いときはたくさんお金を使っていた。
しかし、それが、もう崩れはじめてきているのではないか、と思う時がある。

もちろん、現在、起きているアメリカ発の不景気の原因とは、まったく関係ない。汗

現在、先進国がやっていることは、テクノロジーによるあらゆるコト・モノの効率化である。


ひとつめは、1つのデバイスでなんでもできる。
昔は、携帯ゲーム機はゲームしかできなかった。携帯電話は、電話しかできなかった。しかし今は、どちらも写真が撮れて、どちらもネットにつながる。
どちらもお互いの機能を包含し始めている。そして、そもそも写真が撮れる機能(デジカメ)の価値は、どこからどこへ向かうのか。
重要なことは、携帯ゲーム機と携帯電話とデジカメの総合で市場規模を見たときに、拡大しているのか、どうなのかということである。


ふたつめは、ネット買い物。
明らかに、Amazon や楽天などでの買い物をする人は増加している。
一方で、デパートや街の本屋で買い物をする人は減っている。
この場合は、商品Aを Amazon で買うか、デパートで買うかでの差しかなく、
ゼロサムゲームであるはずだから、
総合での市場規模を考えた場合、変わらないはずであるが、本当にそうなのかというところである。
もしデパートへ行った場合、時間もかかるし電車や車に乗らなければならない。途中で疲れて食事もするだろうし、デパートでいろんな物が目にとまり、うっかりいろいろ買ってしまうだろう。


みっつめは、デジタル(コンテンツ)商品の流通の変化。
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痛いニュース(ノ∀`):新型PSP(DL専用)発表に小売店が激怒 「私達お店はもういらないって事?」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1270...

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↑のような変化。例えば、iTunes Store や Wii などで 音楽やゲームを売っているわけだが、Amazon が音楽やゲームを売っているのとはわけが違う。消費者が買っているのはその音楽やゲームの権利であって、モノそれ自身は買っていない。CDそのもののプラスチックやジャケットの紙は存在しない。それを買う人はいないし、もちろん生産もされない。もちろん、モノという媒介を通した中古市場も存在しなくなる。
音楽やゲームは、モノという媒介を不要とし、その物質的なコストがなくなるので、消費者へより安い値段での提供が可能となる。またゲームなどでは中古市場も減るので、消費者はよりメーカーからの直接購入をしなければならなくなる。そして、これからも、本や映画などを含め、ますますデジタル配信の傾向にある。これは果たして、総合で見たときに市場規模を拡大させているかどうかということである。


よっつめは、無料コンテンツの増加
インターネットをやっていれば分かるが、面白い無料コンテンツが山ほどある。お金を一円も払わなくても、体験できることが山ほどある。昔はそのために大金を払う必要があったのに、今では無料で出来てしまうのである。これは確実に何かの経済規模を減らしている。何かは分からないが。
もちろん、この無料の恩恵によって、どこかでさらなる経済拡大が起きていれば問題ないが・・・。


これら4つの側面(いやもっとあるかもしれないが)、まとめると、
テクノロジーの発達によって、便利になり、安くいろんなモノが手に入るようになった。もちろん、その影で、シュリンクしていく業種も存在する。この構図は、今始まったわけではない。昔から存在していた。
問題は、トータルで見たときに、テクノロジーでどんどん便利な社会になっているにも関わらず、経済規模が小さくなってしまっているのでは?ということ。
もし、小さくなっていないなら、まったく問題ありません。
もし、小さくなってしまっているとするならば、
テクノロジーを発達させればさせるほど、経済がトータルとしてシュリンクすることを意味します。


もちろん新しいテクノロジーを使うには、プリウスなり、iPhoneなり、Wiiなりそのテクノロジーを買う必要があるわけで、一過性の流行的経済効果はあると思いますが。


本当のところ、どっちなのか、よく分かりません。
願望としてはシュリンクして欲しくないです。


結局、
テクノロジーは、両方の側面があり、
新しい価値を生んだか、それとも、既存価値を潰したのか。
総和として、どうなのか。

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追記(2009/07/13-20:20)

わかった、こうしよう。

「カルテル」「トラスト」は、
不景気の時は、OK 。笑



いや、ダメだろ。

---------------
追記(2009/07/13-23:10)

なるほどー。
モノじゃない、見えない価値ですね。

有形固定資産 から 無形固定資産 へのシフトですね。

モノはどんどん安くなって、サービスは高くなる。

テクノロジーは、モノでも、サービスでもある。

ちょっと考えまーす。
(^_^)

---------------
追記(2009/07/15-01:26)

あざーす。
勉強になります。(^_^)


前者の場合は、
例えば、1997年時、4MB、8MB のメモステは、
ここ10年で、値段も大きさも変わらず、4GB、8GB と、
1000倍になった。
きっとこのまま、
次の10年で、値段も大きさも変わらず、4TB、8TB と、
なる。
使い倒せるのかね。汗


後者の場合は、
例えば、昔は洗濯するのに、
ものすごく時間がかかったが、
今は洗濯機があるので、洗濯にかかる時間は減った。
そして、その空いた時間で、
人間は別なことをし始める。
こんな感じで、時間を短縮し、物事を多重化して、
単位時間に行う活動を増やし続けて・・・。
もうそろそろ限界。汗


今日、
ビジネスのいろんな話しを聞く機会があって、
思ったことは、
昨日までちょっと悲観的になっていたけど、
まだまだ経済の拡大のチャンスはありありだって
思った。

ひとことで言うと、
テクノロジーが、
テクノロジーで、まだまだ、
無形固定資産 を作れる感じ。


今の僕は、希望に満ちあふれています。(^_^)

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追記(2013/09/08-21:57)

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