#3297 日米仏の思考表現スタイル@日記 (2013/09/14)

6号:日米仏の思考表現スタイルを比較する
http://berd.benesse.jp/berd/center/open/berd/...


いやー、これはホント勉強になりますね。一読の価値ありです。
皆さんも読みましょう。ちょっと長いけど。

いかに自分たちが日本人、日本文化の思考に矯正させられているかということですね。


ということで、備忘録的にメモメモ:

・時系列で語る日本の子どもたち
・因果律で語るアメリカの子どもたち
・フランスの子どもたちは俯瞰型で語る
・日本の国語は読解が中心。物語の場合は「状況から登場人物の心情を読み取る」、説明文の場合は「難しい語句を調べ、段落ごとに意味を読み取る」。
・日本の国語教育で創作文を書かせないのには100年近い歴史があるのです。   
・アメリカの国語は作文が中心。物語や詩や説明文のほかに、エッセイ(小論文)、ビジネスレター、親密な手紙、レポート、インタビュー、広告、自伝、本の紹介から戯曲に至るまで、実に12種類もの文章様式を習得する。ほとんどの州で小学校の卒業時に作文の試験を受けることが義務付けられている。
・フランスの国語は文法や語彙、綴り字の習得に充てられます。言語の基礎と形式を重視。小論文の構造としては、フランスでは伝統的な弁証法が推奨されます。一般的な視点(テーズ=正)とそれに反する視点(アンティテーズ=反)を統合(サンテーズ=合)し、新たな理解の枠組みを生み出そうとします。自分の主張のみを一直線に展開するアメリカの小論文の書き方とは好対照です。

・歴史について:日本は「時系列で出来事を追いながら歴史上の人物の気持ちになって『共感』することで歴史理解を深める」。アメリカは「結果から振り返って出来事がなぜ起こったか原因を特定する」。フランスは「時系列で出来事を追いつつ、さまざまな原因を挙げながら、歴史の大きな流れを俯瞰して出来事を位置付ける」。日仏は時系列的に学ぶ点は共通ですが、その出来事の功罪や善悪の二面性を検討して全体像を見渡そうとするのがフランスの歴史教育の特徴です(図表4参照)。

・子どもたちが授業で実際に書いた作文を日米で比較してみると、興味深いことが分かります。日本の教師は、意識する、しないにかかわらず、結果的に「綴り方」の伝統に則って、「自由に、思ったままを書けばいいんだよ」と励まして子どもに作文を書かせます。しかし、でき上がった作文は、どれも驚くほど似通っています。その一方で、一見自由な印象を受けるアメリカの小学校では、実は厳しい文章の「型」の訓練と、技術的指導や添削が行われます。その結果として生み出されるのは、各自が書く目的に応じて様式を選び、そこに個別の意見が主張され、ときにはさまざまな様式を組み合わせる多様な作文です。
 ここには、「自由」を重視している方が結果的に「規範」にとらわれ、「規範」を重視している方が結果的に「自由」な多様性を生む、というパラドックスが見られます。型を知らずに「自由に書け」といわれても、いったい「何から」自由になればよいのか分かりません。その結果、「起こったことをありのまま書いて時系列で気持ちの変化をたどる」という書き方が逆説的に唯一の型になってしまうのです。




関連:
#3181 謝る、謝らないは文化かな@日記 - HE PROJECT3 2013-06-09
#3123 サンキュータツオ@日記 - HE PROJECT3 2013-04-07
#1664 相手に伝える術@日記 - HE PROJECT3 2009-02-18

11/23のブン

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追記(2015/08/16-11:49)

「空欄埋めて書く」感想文テンプレ | web R25
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail...


今年はなぜか、感想文のテンプレートの件が、話題になりましたね。


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※ 独自 いいね です。facebookのそれとは関係ありません。白くなっている場合はすでに押し済みです。


少し関連:
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の記事はこちら(#5605)


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