[#4495] 【書籍】イノベーションのジレンマ＠日記

#4495 【書籍】イノベーションのジレンマ＠日記 (2017/01/07)

#4305 【書籍】キャズムVer.2増補改訂版＠日記 - HE PROJECT3 2016-06-12

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press) | クレイトン・クリステンセン, 玉田俊平太, 伊豆原弓 |本 | 通販 | Amazon
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4798100234/he...

スゴイ本ですね。
2001年の本ですが、まったく色褪せないですね。
何でもっと早く読まなかったのだろうと後悔する本です。
値段の価値以上のものがありますし、この真実はもっと早く知るべきですね。

キャズムの本がイノベーター側の本だとするならば、この本は大企業(すでに市場を構築している)側の本です。
なぜ大企業側は破壊的イノベーションによって市場からの撤退を余儀なくされるのか。

一般的に考えられている理由、だけれども実際調べると間違っている理由：
・経営者が無能だから
・経営者が世襲制だから
・官僚主義の会社だから
・その技術を知らなかったから
・技術力が無かったから
・リソース（人材、開発環境、資金）が無かったから

たどり着く真の理由：
・正しく経営判断をし、実行するから。
・そして、真の犯人は、その企業規模と、最重要顧客である。
・企業規模→経営慣行や、資源配分プロセスで、どうなるか分からない市場に、手を出さない。手を出せない。
・企業規模→小規模の市場は大規模な会社の成長需要の問題を解決しないため、手を出さない。手を出せない。
・現在の最重要顧客は、破壊的イノベーションを求めていない。

技術力においては、
実は破壊的イノベーションの技術は大企業側の方が先行している場合がほとんどであるらしい。

面白い話として、

蒸気船が登場した時、蒸気船は、とても速度が遅く、また川を登るくらいの用途にしか使えないと考えていた。
そのため、帆船会社は、蒸気船を作ろうとしなかった。
しかし、その後、帆船会社はすべて倒産した。

真空管でラジオを作っていた時代に、トランジスタでラジオを作ろうとした（ソニーのこと）。
また当時、ラジオは家の中で聞くものであり、音質も真空管ラジオは優れていた。
ソニーは、トランジスタでポータブルラジオを作った。外でラジオを聞くことができるようにした。
音質は真空管ラジオに比べて最悪だった。
しかし、その後、ラジオは改良され高音質となり、真空管ラジオの会社はすべて倒産した。

電気自動車の話が途中で出てくるが、
電気自動車のバッテリーが2015年頃にガソリン車の通常使用と同レベルに達すると予測しているのは面白い。(^_^)
実際そうなりましたね。

この本が出版した当時は、iPhoneはまだないが、この本の中で上げているコンピューターの歴史、
メインフレーム→ミニコンピュータ→デスクトップコンピュータ→ノートパソコン→iPhone という流れになるのかな。
そして、同じ歴史を繰り返しているのが面白い。

そして、とっても重要なこととして、
破壊的イノベーションは、技術ではなく、マーケティングの問題であるという点にも注意したい。
iPhone は技術革新の塊と思われがちだが、実際は、既存技術のよせ集めである。
iPhone のイノベーションは、そのマーケティングにある。
そして、今までの多くの破壊的イノベーションも、やっぱり既存技術のよせ集めである。

その他：
・技術の供給は、市場の需要と一致しない場合がある。技術の供給は、市場の需要を上回る。
・破壊的イノベーションの用途は、事前には分からない。
・組織の能力と個人の能力は全然違う。
・組織の能力は、組織内で働く人材の能力に関係ない。組織の能力は、プロセスと価値基準（優先度のシェア）で決まる。
・製品やサービスは、性能→信頼→利便性→価格の価値で推移する。
・大企業は、破壊的イノベーションに対して、別組織、別会社で行わないと成功しない。

1/3のブン

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