#5258 宮台真司語録@日記 (2019/02/02)

いやー、なかなか熱い人ですね。
前澤、アホに1億円配ってないで、この人に100億円渡せ。
そしたら日本社会がよりハッピーになると思うんですが、どのような使い方をしてくれるのか気になりますね。



僕は、損得勘定に留まる動機を〈自発性〉、損得を超えて内から湧き上がる力を〈内発性〉と呼びます。
そこら中から〈内発性〉が消えて〈自発性〉が専らになった社会が〈クソ社会〉。
僕らの周囲に拡がっています。



「いざ」という時に助けてほしいから、頑張って「絆」を作ろうと思うのは「エゴ・セントリック(自己中心的)」な考えです。
「いざ」という時、自分はどうあれ、命を賭けても助けたい人がいること。これが「絆」でしょう。

#4125 マナーとは何か@日記 - HE PROJECT3 2016-01-03
のヴィクトリア女王のフィンガーボウルを彷彿させますね。



社会を回すために経済があるんじゃないの?
「経済回って社会回らず」なんて本末転倒じゃん。
いったい何のために生きてるんだよ。
経済が回らなくなったら自殺者が急増って何なの。


日本では貧乏は不幸というイメージが強いけれど、
世界的に見ると「貧乏だからって不幸だとは限らない」という社会のほうが主流なんだ。



「人を殺してはいけない」というルールを、法律にせよ道徳にせよ一般化した社会は、歴史上一つもありません。
人類は何十万年も「仲間を殺すな」「仲間のために人を殺せ」だけでやってきました。



関連:
#5234 マルクス・ガブリエル@日記 - HE PROJECT3 2019-01-04
#4896 【書籍】君は1万円札を破れるか?@日記 - HE PROJECT3 2018-02-24
#4861 【映画】君の名は。@日記 - HE PROJECT3 2018-01-04
#4479 【書籍】日本の難点@日記 - HE PROJECT3 2016-12-17
#3077 絶対にやっちゃいけないことなんて一つもない@日記 - HE PROJECT3 2013-02-26

2/6のブン

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追記(2019/02/07-22:50)

誰よりも強力な利他性や貢献性を発揮し、誰よりもヘタレない強さを獲得する者となること。それが、子育ての最終目標であることを、親が腹の底に落ちるまで理解できるかどうか。

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追記(2019/02/07-23:29)

文明人は・近代人は・資本主義社会の市民は、互いの在り方が分断され、疎外されている。そして、他者の悲しみを自らの悲しみとし、他者の喜びを自らの喜びとするような、〈世界〉を共同的に体験するような在り方を、失っている。

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追記(2019/02/07-23:39)

私たちは法を頼ります。法の内つまり「法内」は約束の世界。やがて「法を守りさえすれば生きられる」部分が大きくなります。すると私たちは「間接化」され「どうすれば生きられるか=realism」を考えずに生きられるようになります。

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追記(2019/02/10-11:07)

愛国教育というと自民党的な「国家への貢献」になりがちですが愚昧です。
「国民に貢献するために国家の賢明な操縦を志す〈参加〉」こそ愛国です。

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追記(2019/02/16-19:53)

ノーマライゼーションに抗うには格差が不可欠だというのは重要な智恵だ。
そもそも欧州にも米国にも「格差社会が悪い」なんて発想はない。
ノーマライゼーションの完成こそSF的な意味での「社会的な死」だと。


当初から原発の背後にある利害は明白で、政府や東電が「安全デマ」を流すことがわかっていたから、
はなから信用はしませんでした。このスタンスは今も変わりません。


カール・マンハイムによれば、知識人階層(インテリゲンチャ)とは、
いかなる階層や共同体からも自由な「浮遊する存在」だからこそ機能を果たす。
とするなら、日本には知識人はもともとほとんどいないことになります


共同体の崩壊こそが、英国の3倍、米国の2倍の自殺率をもたらした。
日本のマスゴミは「国は何やってんだ」との論潮ですが、米国の雑誌は「日本は社会が腐っている」との論潮です。


アメリカがトックビル主義(アソシエーションの原理)、
フランスがルソー主義(集合的沸騰の原理)、
イギリスはバーク主義(貴族的態度の原理)が、公共性を担保。
同じ連合国でも、かなり出自が異なる原理です。


ロマンチシズムの本義は「不可能性の志向」です。
不可能だとわかっているからこそ、命懸けでコミットメントし、
そして死ぬときに「素晴らしい夢を生きることができた」と死んでいくのがロマンチストなんです。

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追記(2019/03/24-21:53)

・「損得を越えて君を助けてくれる仲間がいるかい?」「君は損得を越えて助けたい仲間はいるかい?」「いないのならそれを作ることから始めないと、女はセックスしてくれても絆は結んでくれないよ」

・「便利と快適」よりも「幸福と尊厳」が大切です。「幸福と尊厳」の獲得には自分たちで自分たちを操縦することが不可欠。これはすべての事柄に共通する実存問題です

・悪いのは教員か、校長か、学校か、いじめっ子か、親か、本人か、といった低レベルの話でなく、いじめの動機を惹起し、いじめをとめる気持ちを萎えさせる社会的・人格的メカニズムについて議論するべきです。

・「正しさ」より「損得」へとシフトする傾向が見えます。損得を超えて正しさに向かおうとする内発性 ― やむにやまれない学問動機 ― は完全に過去のものとなりました。

・20世紀半ばのマスコミ研究で分かったのは、テレビを見る場合、親しい人と一緒に視るか、視た後に親しい人と話し合うかすると、番組の暴力表現や性表現の影響が小さくなること。一人で視るとロクなことがないんです。

・男女交際は、かわいいから、頭が良いから、と第一印象から最初は好きになる。でも、かわいい人も頭が良い人もごまんといます。雨降って地固まるじゃないが、その人でなければいけない理由は、後からでき上がっていくものだと思うんです

・アートの定義は「鑑賞した者を元に戻れなくするもの」。回復不能な傷をつけるのです。

・ナンパでも子育てでも禁物なのは、不安で右往左往することだ。マニュアルは、マニュアルに当てはまらない現実に不安を覚えさせ、不安ゆえにますますマニュアルを頼らせ、ますます現実に不安を覚えさせる。

・なぜ日本人は原爆投下や東京大空襲をした米国を憎まなかったか。空からの攻撃だったから──。空襲は、自らを殺戮しようとする相手の顔が見える地上戦が巨大な憎悪を刻むのとは対照的に、天災(天変地異)のように体験されるという。

・「ほんとうはどうだか分からないが、悪そうな奴だから捕まえてしまえ」といった「岡っ引き根性」を、諫めるどころか支援するのが、日本では当たり前であり続けてきました。今も変わりません

・官僚はバカではないんです。いろんなことをわかっている。しかし組織人という立場になると、貝のように喋らなくなるか、通り一辺の紋切り型のことしか喋らない。

・「世界」はそもそもデタラメである

・法は一万年前の定住革命で「仲間」を守る手段として生まれます。その前には法はなく、「仲間意識」と「生存戦略」だけがあった。

・86年以降に生まれた世代はカオスの95年を知らない。そして95年以降は、社会のモードが変わらない。だから、「社会のモードがガラリと変わったという共通体験」から見放され、それが過剰適応的な暗さに繋がるのではないか。

・人類何千、何万年の歴史のうち二百年間だけですよ、愛と性が一致しなきゃいけないという時代があったのは。

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追記(2019/06/09-20:08)

<世界>はそもそもデタラメで、秩序ある社会や愛ある関係は一瞬の夢の如き奇蹟だ、とする<ギリシャ的>説話論。本来は秩序ある社会や愛の関係が続くはずなのに、愚かな失敗ゆえに悲劇がもたらされる、とする<エジプト的>な説話論。


真の早期教育があるとすれば、「目から鱗が落ちた」「聞くと見るとは大違い」「世評の大半は勘違い」という経験を、どれだけさせてあげられるかだ。

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追記(2019/08/10-21:31)

【世界観】人は、規定されたものの中にいる限り、〈世界〉を〈世界〉として感じない。規定不可能なもの、カオス的なもの、計算不可能なものに囲まれて、人は初めて〈世界〉の中に生きていると感じる存在である。

【信頼できる男】女子高で150人以上の高校3年生全員に、正しさに敏感な男と、損得に敏感な男と、どっちを彼氏にしたいかを尋ねたら、全員が正しさに敏感な男だと答えた。理由を尋ねたら「損得に敏感な男は、いざというとき逃げるから」。

【社会趨勢】ルールが厳格化するほど、異質さに触れる可能性が減ります。すると、異質さに対してますます神経質になって、不安ゆえにルールが厳格化されます。こうした悪循環が回っているんじゃないでしょうか。

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追記(2019/09/22-14:47)

【民度憂国】日本以外の先進国では法は市民が勝ち取ってきた財産であるので、従って、法はいつでも暫定的で不完全だという発想があります。ところが日本では、まるで「法=正義」扱い。法と道徳の分離っていう近代社会の基本的な原則が、まったくわきまえられていません。

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追記(2019/10/05-13:42)

個々がバラバラに分断され孤立した状態になると、全てを自分でハンドリングしなければならないので、自分にとって「最適な選択」をしないと「損をする」「置いていかれる」などと不安に陥りがちになるので、社会が不安ベースになります。


民俗学によれば「子供は自由にさせ、大人になれば責務を負わせて不自由にする」のが日本的伝統です。欧州的伝統は真逆で「子供は不自由にさせ、大人になれば自己責任で自由にさせる」。


「社会をどうやって維持できるかといったら、損得勘定を超えた内側から現われるなにものかをどうやって受け継ぐかにかかっているのではないか。」


毎日が平穏で幸せであることで幸せになれるのが「内在系」です。他方、毎日が平穏で幸せであるだけでは幸せになれないのが「超越系」です。


死ぬほどに悩む体験を通過しないと、2500年前の古典に解決策が書かれていることに気付くことができません。だから、学問には体験が必須なのです。


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